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2020.12.23 税理士の未来像〜税理士は社会体制が発展変化した時にも必要とされるか?〜

                                                  税理士 山本友晴

はじめに

世界の持続的な開発目標(SDGs)に世界平和、環境問題、人権、貧困の格差是正等幅広い目標が掲げられ世界がその目標に注視し行動を始めている。新型コロナウイルス対策へもこのSDGsは、有効性を発揮するのではと思う。この動きは、世界的な共通認識として発展してきている。

科学的なものの見方をすれば、この動きはやがて世界が社会主義の世界、共産主義の社会へと昇華発展していくのではと強く思う。

以前、そのように発展変化した時代において税理士はその社会に必要とされているのかと疑問を持ったことがあり、今は亡き板井優弁護士(板井優弁護士は、人権派弁護士で牛島訴訟に粉骨砕身で当たっていた。そして水俣病訴訟、川辺川ダム訴訟と行政相手の訴訟に率先して取り組んでいた。同年代でもあり生前仲間として交流をしていた弁護士である。)と雑談し議論をしたことがある。私は、「公認会計士はその社会においても必要とされ税理士は必要とされないのではないかと思う」と問うた。

彼は、即座に必要とされると答えた。その理由は、国家がある限り、支配者と被支配者が存在する。そうなるとそれぞれの立場に矛盾が発生する。特に弱い立場である被支配者への寄り添いそしてその権利擁護は欠かせない。その存在が税理士であり弁護士であると。まさに目からうろこで、何となく疑問を持っていた私はすごく元気をもらった覚えがある。
税理士とは何か

・これまでの税理士法改正の動きから

コロナ禍のもと、税理士制度の研究(北野弘久著、19951031日初版、税務経理協会発行)をひも解いた。北野先生とは、牛島訴訟の際、たびたび来熊されお話を伺ったことがあり、彼の著書の「納税者の権利」は、私の税理士としての仕事にとても有用な著書である。恒例の税経新人会のイベントには必ず参加しておられ、その際にお声をかけていただいた。

北野先生は、税理士制度についての造詣が深く、19702月に日税連税政審議会特別委員に任ぜられた。「税理士は税金問題の法律家・弁護士でなければならず、財務証明(監査業務)を業とする公認会計士とは本質的に異なる。」ことを表明していた北野先生は、この立場で尽力された。19724月の「税理士法改正に関する基本要綱」の取りまとめに大きく影響を及ぼし尽力されてもいた。

ところが、1977年、1978年から大型間接税である一般消費税を導入しようとする動きが起こり、政府・与党及び日税連執行部筋において、基本要綱の基本的な考え方を否定する税理士法改正の動きが巧妙に展開され、各税理士会や一般税理士からの意見聴取する手続きが全くとられないで197945日に時の日税連は同基本要綱を凍結することを決定したのである。これらの経緯について断片的に牛島税理士や九州の新人会仲間から聞いていたのであるが、この本に出会い経緯を知り納得した。

・税理士とは何か

 税理士は税金問題の法律家・弁護士である。

 租税法律関係は二つの当事者で成り立っている。その一方の当事者が税務行政庁であり、膨大な権力と専門的知識を有している。もう一方の当事者の納税者はなんの権力も専門的知識も有していない。税理士はこの関係における弱者である納税者を民間の職業専門家として援助し、憲法および税法によって認められた納税者の権利を擁護すべき使命を担っている。税理士の法的地位は、税務行政庁の立場と対立する立場にある。

だからと言って、脱税行為等の税法違反行為を示唆することが出来ないのは、税金の法律家・弁護士として当たり前の常識である。


税理士会の自主性・税理士の権利の制限

税理士の懲戒権を国税庁長官(財務大臣)が保持している。これは、税理士を税務行政の延長上にある者、税理士会を税務行政の補助機関とみていることとなる。これでは税理士会の自主性はない。税理士の懲戒権は、税理士会が保持すべきである。

会の執行部の中には、同じ仲間を懲戒できるのかとの意見も散見するがこれは自主性の放棄である。

また、日本税理士会連合会(日税連)は各地の税理士会が会員であり、税理士は所属する会を通じてのみ意見が言える間接的な制度である。そして、日税連の会長は構成員である各税理士会の会長の投票によってきめられている。税理士個人の意見は会によって集約されているので、個人の権限は大幅に制限されていることとなる。

それに対して、日本弁護士連合会はその名の通り弁護士一人ひとりが会員であり、弁護士会の会長の選出は会員である弁護士の投票で決まる。税理士会連合会もこうすべきである。


今でも起こっている納税者の権利侵害の無予告調査

20199月に私の関与先に6人の税務署員による無予告調査が行われた。その時の様子について、納税者から、担当調査官に社長の日程を確認して欲しい、社長が対応できれば調査に着手するとの有無を言わせない態度であったと、聞いた。調査官が来ている旨の報告が納税者より、私にあったので、担当調査官を電話口に呼び出し直ちに撤退することを要求した。怒りが収まらなかったので強い口調で要求したのであるが、引き下がろうとしないので私の事務所に来てもらい話すこととした。その際、4人は現場の外に残り2名が1時間ほどして来所した。怒りが収まらずに猛烈に抗議し当日の調査は中止としたのであった。

公務員である調査官の任務を考慮し調査に応じることとし、再度日程調整をして後日調査に入った。結果は、2020年の3月に是正となった。

今でもこのようなことが起こっているのである。税務調査官に納税者権利侵害の認識が全くないことが露呈した調査であった。

 

税制問題についての専門家としての提言、提案の必要性

税理士会は、税に関する法案について自ら提言、提案をする制度ではなく、建議をするとなっている。これはおかしな制度である。税理士は税金問題の法律家・弁護士でなければならない、そうなると税金問題については真摯に問題点を指摘し、より良い税の在り方について提言、提案していくことが肝要である。
税理士法改正への提言

九州税経新人会では税理士会総会へ参加し意見を表明することとし、毎回参加して発言している。南九州税理士会は総会の質疑模様を会報に写真入りで掲載している。私は、毎回税理士法改正について発言している。第1条の税理士の使命の部分、「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」この部分は、「税理士は税金問題の法律家として、研鑽に務め、申告納税制度の理念にそって行動するものとする。」の改正と、懲戒権を財務大臣から税理士会とすることの二点に絞って発言している。先に述べたが、同じ仲間である会員の懲戒は無理ではないかとの意見があることも事実である。しかし、懲戒は法律違反者に対してするものであり、仲間であっても違反者には懲戒が必要である。自主権を得るためには懲戒権は必要であり譲ることはできない。税理士法改正については広く税理士の意見を集約して提言していくことが必要である。


おわりに

国家が存在する限り、支配者と被支配者が存在し、そこには矛盾が起こり、葛藤が生じる。

地球誕生の自然界においても、嫌気性バクテリアと好気性バクテリアの矛盾の存在があり、それらの結合・融合で生命が誕生して今に続いている。この矛盾の結合・融合はいたるところに存在している。

法律を学ぶ上で最も基本となるエンゲルスの著書「家族・私有財産及び国家の起源」において、エンゲルスは、人間が原始社会から家族、私有財産を持つようになり、国家を形成した。その体制の維持のために法律が必要になり作られてきたと記している。

社会が発展していく過程での国家の存在、その国家の維持のためには法律が必要であり、国家がある限りそれは変わらない。社会性持った動物である人間の世界ではその矛盾(国家の中での相反する支配者側の論理と被支配者側の論理の葛藤による矛盾)を解決するすべが必要であり、弱い立場を守る存在が必要とされるのである。このことから「税理士は税金問題の法律家・弁護士である。」ことの使命が導き出され、それが認識されるのである。

 国家が存在する限り、税理士はこの崇高な理念を認識し行動することで社会から消滅することはないといえる。

 
 この文章を書くにあたり、北野弘久著「税理士制度の研究」からかなりの部分を引用した。
北野先生は、
2010617日に亡くなられた。合掌





2020.6.19
 新型コロナウイルスの蔓延から今後を考える

 

 

 

 新型コロナウイルスの蔓延により、私たちの生活への影響が出てきている。

 

文化面では、演劇鑑賞会の例会が、劇場の閉鎖や、劇団の密な稽古が不可能になったことで、軒並み順延、中止になっている。まさに鑑賞会も劇団も存続の危機に陥っている。古典芸能の能楽においても、公演の中止などで能楽師の生活が脅かされてきている。

 

憲法は、国に国民が健康で文化的な生活の営みが出来るよう保障する義務があることを規定している。この分野への国の財政的な手厚い手立ては、政府がすべき喫緊の課題である。

 

事業継続面では、飲食業や旅館業は、緊急事態宣言による自粛で売り上げが大激減している。懇親会も自粛でほとんど開かれていない状況である。持続化給付金を利用して何とか生き延びている事業もある。この新型コロナウイルスの収束はまだ明確に見えていない。それぞれの分野での真摯な対応が求められている。一つの企業もつぶさない、これを課題としてこれらの企業への国からの援助は喫緊の課題である。

 

明るい兆しとして、事業形態の見直しで浮揚をはかっている企業や、ファンドによる民間の下支えにより当面を乗り切る動きが出てきている。国民一人当たりへの給付金10万円支給も生活の維持への使用の外、事業体を助けるファンドへの提供もなされてきている。

 

事務・管理業務や様々な会合等もZOOM等の利用により合理化が進められてきている。

 

新型コロナウイルス蔓延は、多大なマイナスの影響をもたらしているが、人々が、俯瞰してものを見て、助け合う世界への前向きの一歩、プラスへの行動の第一歩と考えると心穏やかになる。

 

「人間万事塞翁が馬」今の危機がやがては発展になるように「影あり仰げば月あり」の精神で頑張りたいものである。





2019.11.5 消費税増税に思う



2019101日より消費税の税率が8%から10%へ引き上げられた。わずか2%との意見もあるが 2%÷8%=0.25 となり25%のアップであることは見過ごされやすい。25%アップは大変なことである。


先日112日に、10月消費税10%ストップネットワーク熊本主催の学習会が開かれた。消費税の致命的な本質を知り、廃止を展望しよう」と題して、ジャーナリストの斎藤貴男氏を講師に迎えてのものであった。

 

 私も消費税についての講師活動をしているが、税理士の立場からの内容で、少し硬めとなりがちであった。斎藤氏はジャーナリストであり、聴衆が理解しやすい話で、しかも深い内容のものであった。90分間の講演は短いが、聴衆が飽きずに集中できるのはこれが限界かも知れない。そこで私が学んだことは次のとおりである。

 


  1. 消費税のネーミングが恣意的である。付加価値税である内容の税制を消費者が負担するように錯覚し事業者と対立させるのがこの消費税という名称である。EUでは付加価値税である。納税は事業者がする。消費者は物価の一部として購入の際、負担する。

  2. 軽減税率の導入でマスコミを骨抜きにしている。EUでは多くの国で、軽減税率は多段階になっており、0%もある。日本の制度はいびつであり、この制度を設けることで業界団体の動きが激しくなり、政府との癒着も起こってくる。新聞業界は、軽減税率が適用になったことで、消費税に批判的な報道が控え気味となっている感がある。出版業界では、軽減税率適用に当たり、ポルノ関係の書籍の排除をめぐりその判断を政府がするか業界がするかで折り合いがつかずに今回は見合わせられたとのことである。政府が判断することとなれば出版の自由が失われることともなるとのことで業界内での一致が見られなかったことによるとのこと。

  3. 消費税アップにより社会保障は充実するか?それはノーである。社会保障制度改革推進法で足かせがなされており、社会保障への財源確保は難しくなっている。消費税導入後の国に占める財源の割合を見ると、直接税である法人税、所得税の軽減の財源に消費税があてられている。

  4. 今後のインボイス制度、当面のポイント還元制度で、国民が監視される世の中になる。取引の電磁化は便利になる反面その取引が管理され、業者はもとより政府の管轄になり、国民取引の全部が政府の管理下に置かれることとなる。(国民総背番号制の導入など監視国家への動きへの注意が必要)

  5. 今後への展望を持つことの必要性。私たちの生活はどうあるべきかそれを考えその実現のための手立てを考えて行動すること、政権政策の鵜呑みでは大変なこととなる。民主主義国家は自らが学び行動すること、ここから未来が開ける 


 

 2019.4.2 改元に思う

41日に平成からの改元を「令和」に決めたと政府から発表があった。

 政府の記者会見では、

 出典:「万葉集」巻5、梅花の歌32首序文

 引用文:初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫楓後之香 

 書き下ろし文:初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は楓後の香りを燻らす

 現代語訳:時あたかも新春のよき月、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉のごとく白く咲き、蘭は身を飾った香の如きかおりをただよわせている(朝日新聞)とのことである。 
 インターネット情報では、

 中国の古典「文選」に張衡の「帰田賦」に「於是仲春令月 時和気清」というのがあり、万葉集の「初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫楓後之香」は、これを詠み人知らずが、本歌取で読んだものの様です。とある。 

 いずれにせよ、日本の古典は中国から来たものであることは事実であるから、中国へ極端な対抗意識を持つことはない。  

  そもそも元号とは、
中国に由来するもので、「君主が空間だけでなく時間まで支配する」ということにもとづくものである。

 戦後73年、我が国は日本国憲法を制定し、天皇は現人神ではなく人間であると宣言し、国家元首ではなく象徴として存在している。

 我が国は官公庁の公文書が全て元号を使用していることからも元号は身近なものとなっているが、税務署への提出書類など、平成では31年、51日以降は令和1年と書くべきか混乱もある。税務署は31年との記載で良いと指導している。

 今後、政府は公文書で西暦と併記することを考えているようである。元号を否定するものではないが、「君が代」同様、強制するのではなく、民意を尊重する存在であって欲しいと思う。

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2017.12.6  UKI美展

 11月26日まで開催されていたUKI美展が終わりました。
 妻の絵は震災後のミルクロードの二重峠の車の行き来を描いているので、NHKの地方版で放送されました。絵描きは何気ない風景の中に自分の車を紛れ込ませています。
 南阿蘇村は、道路普及がかなり進み、南阿蘇村から熊本市内への通行はずいぶん便利になりました。俵山トンネル、長陽大橋、ミルクロードそしてグリーンロード。グリーンロードは不便なため観光用の車かバイクが通っています。阿蘇大橋開通は5年後くらいとのこと。
我が家は、長陽大橋の開通で大型トラックの通行が多くなり、風圧による家の揺れや道路のひび割れなどで震度1くらいの揺れが大型の通行のたびに発生しています。道路の改修、速度制限などが望まれます。


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2017.8.12  ロービジョンフットサル報告会

今年はイタリアでロービジョンフットサルのワールドカップ(世界大会)があったのでその報告会がありました。
2年前に韓国で行われたときはやっと1勝を挙げたのですが、今年は完敗で、世界の層の厚さを痛感したとの斉藤監督の報告でした。

 

 斉藤監督は熊本出身で、仙台で体育教員をしながら監督を務めるという二足のわらじを履いて頑張っています。

 

ロービジョンフットサルは弱視の人たちで構成されているチームです。ゴールキーパーだけが健常者です。

 

 今年の大会へはサッカー協会より派遣費全額の補助があったそうです。以前は自己負担でしたので条件がよくなってきています。

 

 私たちはロービジョンフットサル日本代表を支援する会を立ち上げ、この支援を行っています。

 

選手の発掘、広く知ってもらう活動が課題です。

 

 

 



2017.
8.9  中島熙八郎くまもと地域自治体研究所の理事長の卓話

熊本県中小企業家同友会の地球環境委員会で中島熙八郎くまもと地域自治体研究所の理事長の卓話を頂きました。

集まりがやや悪く申し訳なかったのですが、小水力発電の実験的な取り組みでの失敗例成功例の豊かな話を聞くことができました。

 水車をまわす事での発電、基本的には誰でもできるようなものであるが、いざ実施してみるとさまざまな障壁があること、値段もさることながら水利権の問題なども・・・。

 基本的にはエネルギーの地産地消をはかること、小集落での取り組みが必要であること、参加者からは昔、簡易水道は田舎で小集落相手に行われていた。行政がこれに舵を取るとすぐにでもできるのではとも。

 設備を簡素化し地元業者が、設置しメンテナンスも出来るような設備とすると、仕事づくりにもつながり、エネルギーシフトにもなる。中島先生たちの実験的な小水力発電から見えてきたもので設計、設備構築など惜しみなく提供するとの力強い発言に、力を得ました。私たち地球環境委員会が中心となって動くことの必要性を感じた卓話でもありました。

 卓話から例会へと続けることも必要かなと思います。



2016.6.28  俵山トンネルの補修工事が始まります


熊本地震で大きな被害を受け、通行不能となっている俵山トンネルルート(県道熊本高森線)の西原村小森〜南阿蘇村河陰間の災害復旧については、大規模災害復興法に基づく直轄代行により進められています。


これまでの、被災した俵山トンネルの変状調査や地質調査等の実施結果をふまえ、明日6月29日から俵山トンネルの補修工事に着手することが発表されました。


補修工事は年内の完了を目標とし、トンネルと旧道を活用し、南阿蘇地区の東西方向の迂回路強化が図られます。


国土交通省Hp http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000711.html


  
2013.3.28 赤石塾

 

「幸せの見える社会づくり」を学び合う実践塾として、講師に赤石義博中小企業家同友会相談役を迎えての塾が始まった。

第1回目は、2013年3月23日(土)から3月24日、滋賀県の 栗東市 森の未来館で行われた。参加者は、大阪、京都、滋賀、富山そして愛知から30数名が集まった。登録メンバーは51名との事。

赤石さんは、傾いた企業を再生させ発展させた実践派の経営者である。それも数社に上る。

彼の基本スタンスは、「人間尊重の経営」の実践である。

自主=人間の尊厳性の尊重、人間らしく生きる。民主=生命の尊厳性の尊重、生きる。連帯=人間の社会性の尊重、くらしを守る。この自主・民主・連帯を基本にした企業経営は、社員の自主性が芽生え、経営者も社員と共に育ちあえる。

様々な外的な要因で、起業の存続までもが危ぶまれている現在において、社員との共育ちの企業は、着実に存続し、発展している。

 

第1回の講義は、3講義に分け行われた。私は、第1講義と第2講義にしか参加できなかったが、その中で、企業経営の実践の中で培われた赤石さんの哲学を垣間見る事が出来た。

 

経営者は学びそして実践する事、理論を学び、実践し、そして総括し、また実践する。まさにPDCA(プラン、ドウ、チェック、アクション)の実践は、理念経営の実践である。このようなことを考えさせられた。

 


2012.6.26大震災を乗り越え新たな出発をした企業(陸前高田市 八木澤商店)

 

6月26日、城菜館において、陸前高田市の老舗醤油製造業 八木澤商店の河野和義会長の講演会があった。110名ほどの参加者、一番前列の講師の唾が飛ぶような距離で拝聴した。とにかくすごい人である。大震災のマイナスから立ち直り、会社を立て直しつつある。話の内容がとにかく豊富で聞き飽きない、涙と感動そして笑い、話を聞きながらたくさんの元気をもらっていた。

被災前に内定していた高卒者2名の内定取り消しをしなかったこと、入社式の時に社長が、その二人に工場が流され今後どうなるかわからないような会社へ入社していただけますか、と問うている。その二人はそれを承知で入社を承諾した。売る商品がない、製造施設もない、中で、会社は何をやったか、災害物資の支援活動を全社員がして、給料は全額会社から支払った。被災地では、持ち家が残った被災者と、何もかも失って避難場へ避難した被災者との支援物資の配分に大きな差が生じていた。家が残った被災者は、人の支援に頼るわけにはいかないと、商品を販売している隣町まで、ガソリンが販売していないので、歩いて買いだしに行っていたそうである。そのような所へ支援物資を運んだ。それがとても喜ばれたそうである。社員さんたちもそのような行動をし、雇用を維持してもらえたことで生き生きとしてきたとの事。

被災者は、女性は食物を作る行為があり、生き生きしていたが男性はすることがなく(することを探し切れずに)、所作に窮していたそうであるが、老人たちは、今は手で食べているが(おにぎりなどが主であるので)そのうちに箸が必要になると、箸づくりに精を出していたとの事、過去の戦争の体験が活かされたのであろうと言っていた。人間苦境に立っても生きる信念を持っていれば、何らかの行動が出来るものである。

企業の再出発は、新社長のもと、進められている。5,000万のファンド募集も目標を超過で集まり、商品名も有名な書道家の提供した書を利用して、優しさあふれるネーミングが出来ている。商品の値決めを製造者が出来ないのはおかしいと主張し、こだわりの醤油づくりをしてきた老舗の会長の話は、彼の発酵食品への思い、そして食育、中小企業のこだわりと自己主張の必要性など、話題が多岐に渡っていた。2時間の間、息もつかせぬ話で大感動であったので全部を紹介することは、今回は不可能である。彼が最後に引用した中学校の生徒憲章が私たちに大きなメッセージを提供している、それを紹介して終わりとします。


北海道士幌中学校 生徒憲章

<人権の章>
人間だから
私の生命も心もたった一つ
かけがいのないひとりとして
大切にされる
あなたも人間だから
わたしはあなたを大切にする


<自主の章>
人間だから
わたしはわたしの意志をもつ
自らを創りあげる喜び
やりとげる責任とともに
ひとりの人間だから
わたしもあなたも自分で立てる


<民主の章>
人間だから
わたしはあなたと違う
たがいを認め、そして話しあう
違う人間だけれど平等であるために
だれもが人間だから
わたしとあなたは支えあえる


<希望の章>
人間だから
わたしはわたしを高めていける
真実を求め
豊かな心を育てる
わたしたちは人間だから
夢に向かってともに歩く

 


 

 

2012.6.20 追悼 原田正純さん

原田正純さんが6月11日に亡くなった。彼との付き合いは30数年となる。

彼は、水俣病への造詣が深く、また、宮ア県土呂久砒素公害調査のためにも力を尽くしていて、30数年前、彼が呼びかけた、被害者との交流を兼ねての現地調査に参加したことがある。

現地で、いろりを囲み、焼酎を飲みながら住民の人と交流したことを思い出す。

原田さんは、一貫して被害者弱者の味方を貫いた人である。その現地調査でも住民の完全な信頼を得ていた。

彼の話で印象的に今でも残っているのが、水俣病の事である。彼は臍帯から水銀濃度を計測し、胎児性水俣病を露見させた。臍帯を保存する風習があったことに着目しての行動であった。このことで、直接汚染された食物を食べていない子供の水俣病が認識されたのである。

「有史からの毒物は、それを妊婦の胎盤でガードし、子供の成育に影響がないようにしているが、有機水銀などの現代の有害物は胎盤を通してしまうのだ。不思議なことだが、遺伝子が認識できないでこうなるのだろう。」と言っていた。生物は誕生から進化を経て現在の生物、いわゆる人があるのだが、この進化の中でなかった物質(有機水銀)が出現した場合それには適応できないのである。

福島原発事故から放出された放射性物質もこのようになるのではないかと危惧される。

原田さんは、南阿蘇で私の妻が経営するカレーカフェはひふへ、家族や友人と何度か来てくれた。

暇が出来たら、絵を描きたいと言っていたので気にしていたのだが、それを実現して、自宅で個人レッスンを受け油絵を描いていたそうである。ぜひ拝見したいものである。

まだまだこれから活躍して欲しいし、それが出来る人であった。彼の精神は、次の世代にすでに引き継がれているし、私も引き継ぐようにしたい。

心から冥福を祈ります。

 


 

 

2012.6.5 腐敗前駆物質?

はじめてお目にかかった名称である。

自然栽培農法を実践している農家の人から出て来た言葉、インターネットによると、

「腐植前駆物質水溶液は人為的環境下において非フェノール系代謝作用しかなくなってしまった土壌に対し、自然環境化に向かうきっかけとなりえる。

また、フェノール系代謝産物は外敵である土壌菌群(土壌生成にかかわる菌群)以外の微生物(大腸菌、腐敗菌、病原菌など)は抗菌作用を発揮して雑菌とは共生しない。その結果、その土壌で育つ植物は病気に強く、抗酸化能が増大する。」

この農家は、この自然栽培農法を8年近く実践してきており、米栽培、青梗菜など野菜栽培において成功を収めている。自然栽培農法で栽培した青梗菜は生のまま食しても苦みがなく、美味しいとこれを取り扱っているレストランのオーナーが絶賛している。

また、この農家が栽培する米は植え付けの時にもうすでに全売しているそうである。

自然農法栽培はややもすれば胡散臭く見られ、疎まれる現実があるが、この農家の成功はこれから始める人々への良き道標となる。

夢の物質、腐敗前駆物質は、地域の環境美化、安全な食品の提供に欠かせないものと言える。我が家の箱庭農業にも実験してみたい。

 



2012.6.1

熊本県内の5月の天気は少雨で、熊本市など平年の3割との報道がある。(熊日6月1日付)5月の連休に、畑を耕し種まきや苗植えをしたのだが、この少雨には悩まされた。芽の出が遅いし、苗が水不足で立ち枯れをしたりした。ここ数日の降雨に嬉々として喜んだ。

ところが、適度な雨は農業には慈雨であるが、建設業には酷な雨である。ある建設業者は、工事予定日に雨が降り、仕事が遅れてしまうと嘆いていた。

職業柄、俯瞰してものを見て、発言することの大事なことを感じた。

 

私の事務所では、この5ヶ月の間、税務調査のオンパレードだった。6件の調査で、平年の1年分がこの期間であった計算となる。

税務調査立会いは私の舞台である。納税者の権利擁護が基本にあるので、そこが侵されるような調査については強く異議を申し上げるようにしている。

調査時には、最初に3つのお願い @調査理由開示、A調査対象、B調査期間についてのイベントをしている。

このイベントで、速やかに回答し、すぐ調査に入る調査官ともめる調査官がいる。

法令違反的な行為には断固強く抗議する。

私は、人間尊重を基本としている。立場の違いからの主張はするが、調査官も人である。憲法の人権尊重を基本にしての法令に沿った調査が行われる限り、問題はないのである。

この立場からの5月までの調査結果は、すこぶる良かった。調査官の指摘と納税者の納得がうまく運んでトラブルなしであった。

立場の違いから物申す、本質をついている物事には理解と納得が伴う。 





 
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(T4-3300-0201-9877)

〒862-0962
熊本市南区田迎5丁目7-6
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TEL:096-370-1722
FAX:096-370-1723

営業時間:9:00〜17:00
土日祝を除く)


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